酒蔵見学 「真澄」 〜その2〜
★その1からのつづきです★
次に酒母(しゅぼorもと)を造る工程。
さきほどの麹と、蒸した酒米と、重要な「酵母(こうぼ)」と水を混ぜて醗酵させます。
ちょうど1日ずつ経過が違うタンクが並んでいたので、変化がわかって面白いです。
醗酵が進むといい香りがしてきます。
最初のうちはヒーターで暖め、醗酵が進んで温度が上がりすぎると氷を入れた器具で冷やすそうです。
もちろん温度管理されています。
2週間で酒母が完成だそうです。
これは、雑菌繁殖防止の乳酸を投入する「速醸モト」といわれる方法です。
▼作業風景。黄色いのはヒーター。 ▼まだ2〜3日目のもの。
▼数日後、なめらかになり泡がプクプク ⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒⇒ ▼もっと日が経つと泡が凄いことに!
▼最後は氷で冷やします。ここまでくるのに約2週間。
さて、仕切りの向こうに山廃の酒母(山廃モト)が。
山廃は、上記の速醸モトの2倍の4週間かかるそうです。
こちらは乳酸を投入しないで、「乳酸菌」を添加し、乳酸菌の力で乳酸を造ら
せるそうです。
手間がかかるので、蔵人には敬遠されるそうですが、宮坂社長は最近山廃には
まっていて、
力を入れているそうです。
山廃だと濃醇で酸が強いので、ヨーロッパ向けの製品にいいんだとか。
▼ビニールの奥が山廃の酒母(入っちゃダメ!)
次にモロミを造る工程。
さきほどの酒母に、蒸した酒米と水を混ぜます。
これを3回に分けてタンクに入れます。
いわゆる三段仕込みですね。
うまいこと酒を作るための昔からの知恵です。
モロミの中では、日本酒独特の並行複醗酵という複雑なコトが起こっています。
仕込みのタンクへ。
タンクがたくさん並んでおり壮観です。
「落ちたら二酸化炭素で即死!」と脅されます。
でも年間に何件かは実際に死亡事故がありますね。
発生する二酸化炭素で酸欠になり気を失ってしまうためだそうです。
タンクの上部にあるキャットウォークを歩きます。
落ちないように注意しながらタンクにもたれて香りをかぎます。
ものすごくいい香りです!フルーツ系ですね。
これがモロミですね。
▼もろみのタンクを覗く社長 ▼タンクの中の様子:すっごく香りがいいです!
タンクの上には、何の銘柄になる酒か手書きのメモがあります。
横の黒板に何日経過で、温度変化がメモってあります。
日数が進むほどブクブクあわ立っています。二酸化炭素=炭酸ですね。
巨大なタンクですが、温度が上がり過ぎないように周囲を2℃の水が流れる
クーラーが付いており、
コンピュータで制御されているそうです。
温度は急に上がるとダメで、8℃くらいからゆっくり上がって13℃くらいを
キープするそうです。
それで2週間ほどかけるそうです。
▼「奥伝」とあります。純米ですね。 ▼温度経過を書き込んだ黒板。
▼米と麹をタンクに投入中。 ▼純米大吟醸「七號」のもろみ。ブクブク!
これがタンクの温度管理ソフトの画面(見せていいのかな?)。
銘柄と温度が表示されています。
過去5年分のデータが蓄積されており、最適な温度管理を行うんだとか。
社長も「(自分が)勝手に触ると怒られる」と言ってました。
▼温度管理ソフトのモニター表示
タンクのキャットウォークを下りると、奥の方に「7号酵母誕生の地」の碑がひっそりとありました。
▼タンクの奥に7号酵母誕生の地の碑が!
そして搾り(上槽)工程。
もろみを搾って、酒粕と酒を分離します。
ヤブタ式搾り機が2台ありました。
ヤブタはメーカー名だそうですね。初めて知りました。
▼ヤブタ式搾り機
そして出来立てのお酒が。
お待ちかねの試飲タイム。
出来立ての炭酸がピリピリする無濾過生原酒をいただきました!これは美味い!
出来立てほやほやのお酒なんて、なかなか飲めませんものね。
真澄の主力製品の「純米・奥伝寒造り」の原酒だそうです。
▼しぼりたての無濾過生原酒!
▼出荷待ちのカートン。左上のはニューヨーク向けでした。
一通り見学させてもらい、最後に一般向けの試飲コーナーでも試飲しました。
▼売店もおしゃれ ▼壁には昨年の新酒鑑評会「金賞」の賞状が。
▼玄米と精白後の米のサンプル。使用米は、山田錦、美山錦、ひとごこち
の3種のみ。
▼純米大吟醸・七號 (私、伍號は親近感が沸きますね!)
どうもありがとうございました!
ご参考:真澄のホームページ
(記・伍號)